この地域で進行中の再開発事業は、我々地権者が、自ら事業リスクを負いながら進める民間の事業です。このため、昨今の建設費の高騰の中で、再開発によって我々地権者が損失を被る可能性がないかについて、十分、検討することが必要です。再開発事業が失敗した場合、損失を被るのは、事業協力者(東急不動産)ではなく、我々地権者ですので、我々地権者は、「無知」、「無関心」、「他人任せ」にせずに、再開発について、自ら、勉強し判断していく必要があります。
さて、近年、日本国内におけるビル等の建設費が、高騰しています。例えば、大阪・関西万博でも、会場の建設費は、直近の数年間で、1,250億円から2,350億円へと1.9倍も増加しています。建設費の高騰の原因は、建設資材の費用の上昇や、人手不足による人件費の上昇などです。
このような建設費の高騰の中で、東京23区内のマンションの平均価格は、2023年度(昨年)に、初めて1億円を超えました。このような高額の物件を購入する余裕は、一般的なサラリーマンの家庭には、ないと言えるでしょう。
一般論として、建設費が高騰した場合、それに伴って、タワーマンションの部屋の価格や、商業施設のテナントの賃貸料を高くする必要が生じます。この地域の再開発準備組合の「基本構想案」でも、居住用のタワーマンションや、商業施設を造る予定です。
しかし、例えば、商業施設のテナントの賃貸料が高いと、テナントに入居者が入らず、想定していた事業収支が達成できない可能性が生じます。現に、前回の瓦版その4で言及した「岡山県の津山市の再開発の事例」では、テナントに入居者が入らず、再開発事業が破綻し、地権者が「等価交換」相当の権利床さえ、もらえないという事態に至っています。
このようなことがないように、我々地権者は、再開発の事業リスクについても、しっかり勉強していきましょう。