~住民がコントロールするのか、それとも、コントロールされるのか~
当地区の再開発計画と、富久クロスの再開発を比較した場合に、決定的に異なるものがあります。それが何かは、今年8月に当会のメンバー4名が富久クロスの再開発組合の元理事長と面談することで、判明しました。
その決定的な違いとは、富久クロスの再開発では、住民が形式的にも実質的にも主体となって再開発計画を進めていったのに対し、当地区の再開発では、住民(地権者等)が形式的には主体となっているとは言え、実質的な主体は、東急不動産であるという点です。
つまり、富久クロスの再開発では、住民が事業全体をコントロールしていたのに対し、当地区の再開発では、住民が東急不動産からコントロールされている点で、両者は決定的に違っているのです。
このような決定的な違いがあるゆえに、富久クロスでは、準備組合の段階から、地権者である住民が、早稲田大学の教員及び学生と共に、再開発の建物などの構想を練り、また、建設会社を選定する際にも、住民が自ら、建設会社に出向いて、工事施工者を決めていったのです。
富久クロスの再開発組合の元理事長が、我々の地区の再開発事業計画について力説していたのは、「今の段階で、いろいろと細かなことまで決めておく必要がある」ということです。「再開発組合を設立した後では、ほとんど、変えることができない」とも言っていました。
富久クロスの再開発では、一戸建てに住み続けたい地権者のために、一戸建て形式の建物が造られました。これも、住民が主体となって再開発計画を練ったからこそ、実現したのです。
この点、当地区では、どうでしょうか。当地区の準備組合は、「部屋割りなどのルールは、再開発組合の設立後に決めます」と言うだけで、地権者は、重要なことは何も確約されないままに、「個人面談」を求められ、さらには、「確認書」(行政に再開発の都市計画決定をしてもらうためのもの)の記入まで求められています。
今年の7月に準備組合主催の「概略権利変換モデルの説明会」が開催されましたが、そこで配布された資料には、以前記載されていたはずの「低層棟」が消えていました。なぜ、「低層棟」を削除して、「高層棟」と「中層棟」だけにしたのか。その理由や経緯は、資料には全く記載されていません。
皆さまは、新築マンションを購入するときに、そのマンションが何階建てかもわからず、購入する部屋が何階にあるのかもわからず、購入する部屋の広さもわからず、購入価格もわからず、管理費や修繕積立金がいくらなのかもわからず、駐車場や駐輪場があるのか(あるとしたら、月額の利用料がいくらなのか)もわからず、自分の部屋(専有部分)以外の共有部分に何があるのかもわからず、管理組合が理事会方式なのか第三者管理方式なのかもわからずに、購入するでしょうか。
「個人面談」の席で渡される「確認書」に記入して提出することは、自分が購入する新築マンションについて何もわからずに、「購入」の意思を示すことと同じなのです。
「確認書」に記入して提出するのであれば、この地区の再開発事業を実質的に取り仕切っていて、将来、この再開発事業で莫大な利益を得る東急不動産から、最低限の保証を、押印のある書面で取り付けておくことをお勧めします。書面での保証がない限り、「個人面談」及び「確認書への記入」を断ることが、あなたの大切な資産(一戸建ての建物、または、マンションの部屋)を守るためにも必要なのです。
