先月(6月20日(土))、再開発準備組合の2026年度通常総会が開催されました。組合員総数83名(マンションは全体で1名)中、参加者は、63名(内訳:出席者13名、議決権行使書33名、委任状17名)でした。出席者がたった13名とは、年に一度の重要な会合にしては、あまりにも少ないですね。
また、7月8日(水)、11日(土)には、「概略権利変換モデルについて」と称した説明会が開催されました。当会としては、「再開発後に取得できる床の面積について、最低の数字の保証がない限り、準備組合からの個別面談の要請には応じないこと」をお勧めします。その理由は以下のとおりです。
まず、1時間半という長丁場の説明会のわりには、肝心の「概略権利変換モデル」の説明の時間が短く、拍子抜けしたというのが当会の感想です。
「概略権利変換モデル」は、3つの具体例(モデル)を挙げて説明されています。
例えば、「モデル地権者A」(以下、地権者Aといいます。)の場合、余丁町通りに面している築年数30年の非木造建物を所有している地権者Aが、再開発で新築される「中層棟」の「中層階」に引っ越すと、従前(再開発前)の建物の床の面積が「350平方メートル」であったものが、従後(再開発後)の中層棟の床の面積として、「約210~320平方メートル」を取得できることが記載されています。
つまり、以下のとおり、床の面積(100%)が、60~91%に減少することになります。
[建物の中の床の面積]
従前の床の面積(基準として100%とする)→従後の床の面積(60~91%)
最低値(60%)を見ますと、なんと、床の面積が40%も減少することになります。
当会が問題と考えるのは、この最低値(40%の減少)さえも、保証されていないことです。なぜなら、準備組合の資料の最後に、「・・・数字が変動する可能性があることをご理解ください」と記載されているからです。
なお、この想定例は、「中層棟」の「中層階」に引っ越す場合であり、「高層棟」の「低層階」に引っ越した場合の最低値は、41%です。なんと、床の面積が59%も減少することになります。
他の2つの具体例(モデル地権者B、C)でも、「中層棟」の「中層階」に引っ越す場合、最低値は、地権者Bで、75%(25%の減少)、地権者Cで、85%(15%の減少)です。
次に、土地の面積の増減について見てみましょう。
なんと、これが全く記載されていません。地権者Aの場合、以下のとおりです。
[土地の面積]
従前の土地の面積(100平方メートル)→従後の土地の面積(不明?!)
再開発の前後の床の面積の増減のみを示し、再開発の前後の土地の面積の増減を示していないのは、片手落ちの印象を受けます。なお、土地が共有であっても、地権者であれば、土地の持分(所有する面積)は、必ず定まります。
なお、以前の瓦版では、戸建ての地権者が所有する「土地の面積」が、再開発によって大きく「減少」し、その結果、長期的には、その地権者は「確実に損をする」という説明をしています(瓦版その3:当会ホームページのアーカイブでは2024年2月、及び、瓦版その13:アーカイブでは2025年1月を参照)。
このように、「概略権利変換モデル」で示されている数字は、いずれも、「保証」がないものであり、例えば、再開発組合の設立後に、もらえる床の面積の予想「最低値」が、さらに下がったとしても、「時すでに遅し」で、後戻りできません。このときには、再開発組合は、準備組合の活動費を東急不動産に返すために、銀行から約10億円の借金をしており、借金の返済のためには、前に進まざるを得ないからです。
皆さん、今回の「概略権利変換モデル」の説明会の後には、いよいよ、「地権者の意向の確認」としての「個人面談」が、待ち構えています。その後は、「都市計画決定」です。
しかし、ここで立ち止まって、良く考えてください。以前の瓦版でも警告しましたように、「個人面談」は、「業者にとって、地権者攻略法の定番」であり、「個人面談」の後には、「同意書」への押印が待ち構えているかもしれません。
あるいは、「同意書」なしで、個人面談の結果を以て、当地区の地権者のほとんどが、再開発(都市計画案)に同意しているとみなされてしまうかもしれません。なぜなら、行政に権限がある「都市計画決定」は、行政に大きな裁量があり、「地権者の8割以上の同意書が必要」などの明確な基準がないからです。
